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試験方法・施工方法

スウェーデン式サウンディング試験

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※通常、家の四隅と真ん中の5ポイントを調査します。
スウェーデン式サウンディング試験は、北欧のスウェーデン国有鉄道が1917年頃に不良路盤の実態調査として採用し、その後スカンジナビア諸国で広く普及した調査です。
それを1954年頃、日本の建設省が堤防の地盤調査として導入したのが始まりです。
1976年には、日本工業規格 JIS A 1221 に制定され、場所を選ばないことと(最低1メートルの幅があればOK)調査費が安いという点で、現在では三階建てまでの住宅の地盤調査のほとんどがスウェーデン式サウンディングによって実施されています。
調査方法は、
先端に33mmのスクリューポイントを鉄棒(ロッド)に取り付けて、50kg、75kg、100kgと荷重をかけた時点で静止状態による沈み込み(自沈)がなければ、ロッドを回転させ25cm貫通するのに半回転(180度)で何回回ったかで、換算N値と支持力を算出します。
ただ砂質土と粘土とでは計算式が異なりますので、同じN値でも砂質土のほうが支持力と相対密度が低くなります。

全自動機械スウェーデン式サウンディング試験

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JIS企画で定められたスウェーデン式サウンディング試験調査方法をベースに、独自の改良を加え児童調査気を開発しました。
 
50kg、75kg、100kgと荷重をレバーひとつで簡単に切り替えられます。
 
これによって、さらに微妙なデータ収集も簡単にできるようになりました。
回転方法も、従来は二人掛かりで回していましたが、原動力のモーターの回転を利用して回すので、疲れることも無く、貫入具合や土質などの観察に専念できます。
また、半回転(180度)を示す自動カウンターがついているので、回転数を間違えることもありません。
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ボーリング調査(標準貫入試験)
標準貫入試験とは、ボーリング孔を利用して、ロッドの先端に直径5.1cm、長さ81cmの標準貫入試験用サンプラーをつけたものを質量63.5kgのハンマーで75cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させるのに要する打撃回数(N値)を測定する試験です。
標準貫入試験は、ボーリング孔を利用して行うため、わが国のような複雑な地盤条件にも適応する試験として広く普及・定着しています。
また、N値をもとに他の工学的性質との関連が数多く検討され、最近では地盤の性状に関するほとんどの事項がN値と関連づけられています。 

調査試験方法

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  1. ボーリング(所要の深さまで掘削)して孔底のスライムを取り除きます。
  2. ボーリングロッドを引き上げ、掘削用ドリルビットを取り外し、サンプラーをロッドに接続して静かに孔底に降ろします。
  3. ロッドの上部にノッキングヘッドおよびガイド用のロッドをつけます。
  4. ロッドとサンプラーの自重で沈下した場合、自重沈下量を記録します。 
  5. ハンマー(63.5kg)をノッキングヘッドに載せます。 
  6. ハンマーを載せて沈下した場合、これも自重沈下量を記録します。
  7. 所定の深さを確認した後、落下高さを小さくしたハンマーの打撃で静かに15cm打ち込みます(予備打ち) 
  8. 打撃1回ごとの累計貫入量を記録しながら、30cm貫入に必要な打撃回数=N値を測定します。(本打ち)
  9. さらに約5cm打ち込みます。(後打ち)
  10. サンプラーとロッドを地中で回転させ、サンプラー内の土と地盤を切り離してサンプラーを引き上げます。
  11. ドライブシュー、コネクターヘッドをパイプレンチで取り外し、スプリットバレルを二つに割ります。 
  12. 資料土の長さ測定と、土質種別、色調、含有物などの観察をして記録します。
  13. 資料土を容器に採取し、所要事項を注記したラベルを貼ります。
     
    以上で1工程が終了です。
    通常1mごとに資料土を採取します。
    10mの標準貫入試験では、1から13の工程を10回繰り返します。
     
    三階建て住宅までの場合、費用面から考えてスウェーデン式サウンディング試験で十分です。
    高いヨウ壁などを作る場合は、役所から構造計算書の提出要請があります。
    そのときの添付書類で標準貫入試験のデータが必要になります。

湿式柱状改良杭工法(セメントミルク工法)

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湿式柱状改良杭工法とは、粉体のセメント系固化材と水をあらかじめプラントで攪拌してセメントミルクを造り、それをポンプで圧送しロッドの先から吐出させて、地中で土とスラリー状になるまで混合攪拌して杭を作ります。

湿式柱状改良杭の条件

        使用材料:
 
        宇部三菱セメント(ユースタビラー10)
        ベントナイト(ジャミング現象の時のみ)
 

ジャミング現象とは

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粒度の悪い砂地盤の場合、攪拌機やロッドが締め付けられ、回転や昇降が不可能になる場合があります。
 
このような場合に、添加剤としてベントナイトを使用して粒度調整や粘性を高め、施工できるようにします。
 
添加量:土砂1立方メートルに対し、通常280kgの固化材を使用します。
混合比:水100%・固化材80% 〜 水80%・固化材100%土質や土砂の含有比によって調整します。
杭の直径:400mm、500mm、600mmの3種類
最大杭長:12mまで
 

作業工程

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  1. セメントミルクが外に溢れないよう、予めセメントミルクの体積分だけの土を掘削して取り除いておきます。
  2. 設計の深さまでロッドの先を掘削します。
  3. 逆転上昇しながら、ロッドの先からセメントミルクを吐出します。
  4. セメントミルクと土とを、色むらがなくなるまで混合攪拌するために、正転下降、逆転上昇を繰り返します。
  5. 杭の天端を、基礎のベース底、もしくは栗石天端の高さに仕上げます。
 
砂質土の場合、セメントミルクの水分が周りの砂に吸い込まれて後で杭の天端が下がることがあるので、数時間後にもう一度杭の天端の高さをチェックする必要があります。
 

湿式柱状改良杭の長所

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・支持層が無くても、摩擦杭として支持力の計算ができますので、ほとんどの地盤に対応できます。
 
・乾式柱状改良杭で施工できない地下水位があるときでも、水が流動していない限り、施工が可能です。
 
※水が流動していると、改良柱体が固まるまでに水圧によって杭が削られてしまうからです。
 

湿式柱状改良杭の短所

・施工機械が大きいため、4tトラックが進入できる道路と、基礎ができる場所とは別に機械類をセットできるスペースが必要です。
 
・他の基礎補強杭に比べ、施工単価が少し高くなります。
 
・施工時に水道が必要です。
水道が確保できない場合は、別途、給水車のリース代がかかります。